Voice Overを使って初めてのiPhone 01 はじめに

2020年12月に、docomoがスマートフォンの料金の値下げを発表しました。
これからは、どんどんと、スマートフォンの使用料金の値下げが行なわれて行くと思われます。
現在では、スマートフォンが、いろいろな社会的情報を集める機器としては、最良なものになって来ました。
視覚障害者も、この情報機器を使わない手はありません。
しかし、残念ながら、全てのスマートフォンが、音声(スクリーンリーダー)で快適に操作出来るわけではありません。
現在のところ、Apple社のiPhoneが、Voice Overと言うスクリーンリーダーを標準で組み込んでいて、このスクリーンリーダーを使えば、他のアンドロイド系のスマートフォンより、視覚障害者には使い易くなっています。
そこで今回は、iPhoneのVoice Overを使って、初めてiPhoneを使い始める方向けに、iPhoneの操作の基本を書いてみたいと思います。

使用するスマートフォン
Apple社の、「iPhone SE2」が、安価で、ホームボタンが付いていて、操作がし易いので、この機種を使います。

「アクティベーション」(セットアップは既に行なわれているものとします。)
まだ「アクティベーション」をしていない方は、キャリアショップで行なってもらうか、iPhoneに詳しい方にセットアップを行なってもらって下さい。

「アクティベーション」を行なう方に、視覚障害者がVoice OverでiPhoneを使い易くするための基本設定を書いておきます。

  1. 「ホーム」ボタンのトリプルタップで、Voice Overの「オン」「オフ」の切り替えが出来るようにします。
    初期値で、この設定は出来ていると思われます。
    (1)「設定」を開きます。
    (2)「アクセシビリティ」を開きます。
    (3)「Voice Over オン」にします。
  2. 「ホーム」ボタンの長押しで、「Siri」を「オン」に出来るようにします。
    (1)「設定」を開きます。
    (2)「Siriと検索」を開きます。
    (3)「ホームボタンを押して Siriを使用 オン」にします。
    説明:この「Siri」は視覚障害者が、iPhoneを操作する上での最重要なツールです。
  3. 画面を縦位置にロックします。
    (1)コントロールセンターを開きます。
    (2)「画面の向きをロック オン」にします。
    説明:思わず、iPhoneを横向きにしてしまうと、フリックでの操作の項目の順番が変わってしまったりします。
    iPhoneを持ったまま、寝転んだりしますと向きが変わってしまいます。
    動画などを余り見ない視覚障害者は、常にiPhoneを縦位置で使うことがほとんどです。
  4. シェイクで取り消しを「オフ」にします。
    (1)「設定」を開きます。
    (2)「アクセシビリティ」を開きます。
    (3)「タッチ」を開きます。
    (4)「シェイクで取り消し オフ」にします。
    説明:思わず横に振った場合、画面が変わってしまって、慌てることを防ぎます。
  5. 手前に傾けてスリープ解除を オフにします。
    (1)「設定」を開きます。
    (2)「画面表示と明るさ」を開きます。
    (3)「手前に傾けてスリープ解除 オフ」にします。
    説明:この機能で、スリープを解除しますと、パスコードを促す画面のガイドを読み上げない場合があり、開いている画面が判別出来ない場合があります。
    「ホーム」ボタンを押してスリープ解除した方が確実です。
    顔認証のあるiPhoneでは便利です。
  6. オーディオ ダッキングの設定。
    (1)「設定」を開きます。
    (2)「アクセシビリティ」を開きます。
    (3)「Voice Over オン」を選択します。
    (4)「オーディオ」を開きます。
    (5)「オーディオ ダッキング オン」にします。
    説明:音楽やラジオを聴いている時に、Voice Overの操作をしますと、音楽やラジオの声が邪魔で、Voice Overの声が聞き取りにくい場合があります。
    その時は、この設定をオンにしておくと、Voice Overがしゃべる時は、音楽やラジオの音量が一時的に小さくなり、Voice Overの声が聞き易くなります。
    Voice Overの声が無くなると、自動的に、音楽やラジオの音量が復旧します。
  7. タッチパネルに保護シートは貼ってください。
    タッチパネルの「ホーム」ボタンが物理式でなくてタッチタイプですので、位置が分かりづらい場合があります。
    説明:保護シートを貼ると、「ホーム」ボタンのところが切り取られているために、「ホーム」ボタンの位置がはっきりと分かるようになります。
    なお、保護シートの貼り方ですが、自分で貼ると、ゴミや空気がディスプレーとの間に入ってしまい、ジェスチャーの感度が鈍ります。
    ショップや、家電量販店で買う時には、保護シートも一緒に買って、店員さんに貼ってもらってください。
    私の経験から、視覚障害者が単独で、保護シートを貼るのは、かなり困難です。
    晴眼者でも、「保護シート貼りは、乾燥したお風呂場でやると埃が無くて失敗しない」と言われているぐらいです。
  8. 最初はパスコードを設定しないでください。
    (1)「設定」を開きます。
    (2)「Touch IDとパスコード」を開きます。
    (3)「iPhoneのロックを解除 オフ」にします。
    説明:まだ、文字入力が出来ないため。
    ただし、パスコードの設定は必要であるので、後でTouch IDと共に設定をします。
  9. 画面の自動ロックをオフにしておきます。
    (1)「設定」を開きます。
    (2)「画面表示と明るさ」を開きます。
    (3)「自動ロック なし」にします。
    説明:初期練習が終わったら、後で時間設定をします。私は5分ぐらいが良いと思います。

まだまだ、いろいろな設定がありますが、とりあえず上記の設定だけはしておいてください。

kawazu/edited by tkoj

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