視覚障害者の皆さんは、大事な書類をどの様に保存しているのでしょうか。
私はiPhoneにOCRアプリを入れて、取り込んだテキストをパソコンに送り、Editorにコピーして編集してから保存して何時でも読めるようにしていますので、その方法を紹介します。
OCRアプリ「Envision AI」は認識率が抜群に良いので、視覚障害者から墨字を読む困難を解放したアプリだと思っています。
iPhoneのアプリとしては、11,000円と高価ですが、購入しておいて損の無いアプリです。
なお、同じIDでサインインしているスマホであれば、iOSでもアンドロイドでも、共有が可能になっているようです。
使用しているiPhoneはSE2の128GBで、「Envision AI」のバージョンは最新です。
また、iPhoneで使っているメーラーは「Gmail」という条件での説明になります。
準備1
iPhoneの「連絡先」に自分の名前を登録して、その中に自分のメールアドレスを登録しておきます。
準備2
OCRで認識したい文字が書かれている紙を用意します。
その紙を置く時には、色の濃い例えば黒とか濃い茶色などのテーブルの上に置くと後の処理が楽になります。
テーブルの色が白い場合は、濃い色の付いたランチャーマットなどの上に置くとよいと思います。
操作方法は「Voice Over」を使って次のように行います。
1.「Envision AI」を起動します。
2.[1本指の右フリック]で「文章の読み上げ」を選択して、[1本指のダブルタップ]をします。
3.iPhone SE2のカメラの位置をOCRしたい紙の中央に置きます。
iPhone SE2のカメラの位置は、裏面の右端上にあります。
4.iPhone SE2が「撮影 端の見えないところがあります」とガイドします。
5.iPhone SE2を水平にしたまま、上に垂直に持ち上げて行きます。
「端の見えないところがあります」とガイドが続きます。
6.更にiPhone SE2を上に持ち上げます。
A4サイズの紙をOCRするためには、40cm以上持ち上げる必要があります。
7.「全ての端を認識しました」とガイドがあり、自動的にカメラのシャッターが切れます。
8.メロデーが流れて、文字の認識が始まります。
A4サイズの紙に文字がいっぱいに書いてあっても、文字の認識には数分もかかりません。
9.メロデーが鳴り終わると、認識結果の初めの部分を「Voice Over」が読みます。
10.認識結果を全て読むには[1本指の右フリック]で「再生」を選択して[1本指のダブルタップ]をします。
読み上げを一時停止するには、[1本指の右フリック]で「一時停止」を選択して、[1本指のダブルタップ]をします。
※VoiceOverの不具合かも知れないのですが、[2本指の上フリック]をします。で読み上げると、漢字が続いているところでは、中国語で読み上げてしまうようです。
11.[1本指の右フリック]で、「文章をエクスポートする ボタン」を選択して、[1本指のダブルタップ]をします。
12.[1本指の右フリック]をして、「テキストを共有 ボタン」を選択して、[1本指のダブルタップ]をします。
13.[1本指の右フリック]をして「メール ボタン」を選択して[1本指のダブルタップ]をします。
私の場合はGmailを使っていますので、それを選択します。
14.OCRの認識結果が本文にコピーされた新規メールが開きます。
15.[1本指の右フリック]で「宛先のエディット」を探して、[1本指のダブルタップ]で編集モードにします。
「先頭に挿入ポイント」とガイドがあります。
「末尾に挿入ポイント」とガイドがあれば、もう一度[1本指のダブルタップ]をします。
16.画面の下半分に出ている、キーボードから、自分の姓名の最初の2文字ぐらいを入力します。
私の場合は「kawa」と入力します。
17.変換候補に、連絡先に登録して有る自分のメールアドレスの候補が表示されますので、それを選択して、スプリットタップなどで入力します。
18.[1本指の右フリック]で「件名」を選択して、[1本指のダブルタップ]で編集モードにします。
この際、件名は何でもかまいません。
私は面倒なので、何か1文字だけを入力することにしています。
19.画面の上の方に、「送信」ボタンがありますので、選択して、[1本指のダブルタップ]をします。
送信の音がしてメールが送信されます。
20.パソコンでメールを受信します。
21.メールの本文で、[Ctrl+A]、[Ctrl+C]でクリップボードに全文をコピーします。
22.「MyEdit」などを開いて、[Ctrl+V]キーで貼り付けて、必要な箇所を編集します。
23.保存しておきたい文章であれば、「名前を付けて保存」等で保存をしておきます。
「MyEdit」の場合は標準で、ドキュメントフォルダーの中に保存されます。
※「ドロップボックス」を使っている方は、もっと簡単にパソコンに移動出来ます。
メールを選択するところで、「ドロップボックス」を選択すると保存されます。
覚えておくと便利ですので試してみてください。
kawazu/edited by tkoj