iPhoneを操作するのは、ディスプレー(Touchパネル)の上を、指先の腹で(指紋のあるところの先のほう)で軽く触って操作します。
指先を曲げて爪がTouchパネルに、「カチカチ」と当たるようにしてはいけません。
この指先でTouchパネルを触る操作の動作を「ジェスチャー」と言います。
この「ジェスチャー」は、Voice Overがオンの時とオフの時では、全く違う動作になります。
Voice Overがオンの時のジェスチャーの方が、圧倒的に数が多いです。
視覚障害者は、このVoice Overがオンの時のジェスチャーを使って、iPhoneを操作します。
このジェスチャーが難しくて、iPhoneを使うことを躊躇している方が大変多いと思います。
視覚障害者が、このジェスチャーが難しいと言う理由の大きな原因に、Touchパネルと操作する指の「距離感」がつかめないと言うことがあります。
次のようにiPhoneを持ちますと、「Touchパネル」との距離感がつかみ易くなります。
iPhoneの持ち方
iPhoneは、机の上などの上に置いた状態で操作すると、視覚障害者は、「Touchパネル」との距離感がつかめず、ジェスチャーの誤操作を行なうことになります。
「iPhone SE2」は軽いので、手に持って操作します。
持ち方は、左の手のひらに「iPhone SE2」を載せて、握るように持ちます。
左手の親指は、「iPhone SE2」の左側面にあります。
人差し指と中指、薬指、小指の先が、「iPhone SE2」の右側面に出ています。
この状態で、ジェスチャーを操作する右手の小指や薬指を、右側面に出ている左手の小指や薬指を触って置きます。
ジェスチャーをする指は、どの指で行なってもよいのですが、普通は右手の人差し指の先で行なうと思います。
この持ち方をしていますと、右手の人差し指と「Touchパネル」との距離感が容易につかめます。
晴眼者がよく行なう片手操作などは、視覚障害者は行なわない方が良いと思います。
ジェスチャーの基本用語
これだけは覚えてください。
- タッチパネル:ディスプレーの周辺の数ミリの枠を除いた全てを言います。
iPhoneのタッチパネルで無い周辺の枠は狭いので、ディスプレー全体をタッチパネルと考えても良さそうです。 - タッチ:タッチパネルに、軽く指先の腹で触ることを言います。
- スライド(ドラッグ):タッチパネル上にタッチした指先をそのまま離さないで、タッチパネル上を滑らすことを言います。
スライド(ドラッグ)は、ゆっくりと行なった方が良いと思います。
移動した指先の「アイコン」などを読み上げて選択状態にします。 - タップ:指先の腹でタッチパネルを、「トン」と軽く叩くことを言います。
1本の指、2本の指、3本の指、4本の指で行なう場合があります。
説明:[1本指のダブルタップ]は、パソコンの[Enter]キーと同じような役目を持っていますので、沢山使います。
しかし、このダブルタップが初心者には、意外と難しいのです。
ダブルタップの定義は、「Touchパネルの同じ所を素早く2回タップします」となっています。
ダブルタップのコツを書いておきます。
1回目のタップと2回目のタップをする時には、指先をTouchパネルから5mm以上離してはいけません。
良く説明に、Touchパネルを「トン トン」と叩くと書いてありますので、腕を振り上げて「トン トン」する方がいますが、これでは、1回目のタップと2回目のタップの位置がずれてしまって、ダブルタップにはなりません。
指先だけで、「トト」と行ないます。
上のようにiPhoneを持っていれば、人差し指の先で簡単に「トト」が出来ます。
なお、ダプルタップは、Touchパネルのどの位置で行なってもかまいません。
選択したアイコンの上で行なう必要はありません。 - フリック(スワイプ):指先の腹で、タッチパネルの上を軽く撫でるようにします。
説明:フリックのジェスチャーを行なうときに、最初にタッチをしてはいけません。
Appleのマニュアルでは、スワイプに用語が統一されていますので、以下の記述には「フリック」の代わりに「スワイプ」と書きます。
1本の指、2本の指、3本の指、4本の指で行なう場合があります。
・右にスワイプすることを「右スワイプ」と言います。
次の項目やボタンを選択して行き増す。
・左にスワイプすることを、「左スワイプ」と言います。
前の項目やボタンを選択して行きます。
・上下スワイプ:上方向や下方向にスワイプします。
一文字読みやピッカー項目などで使用します。 - スプリットタップ:指先の腹で項目を押さえたままで、他の指で、タッチパネル上を一回タップします。
文字入力などで良く使用します。
iOSの最新バージョンは、2021年1月現在、14.3です。
その他のジェスチャーは必要が出てきたときに書いて行きます。
付録として全てのジェスチャーの一覧を載せるつもりもあります。
kawazu/edited by tkoj